ギターノイズの原因と対策|ジー音を直す方法
ギターをアンプにつないだらジー音やブーン音が鳴る、弦に触るとノイズが消える、シールドを動かすとバリバリ音がする。こんな症状が出ると、ギターが故障したのか不安になりますよね。
ただ、ギターノイズの原因はギター本体だけとは限りません。アースやピックアップ、シールド、ジャック、アンプ、電源、エフェクター、パソコンやスマホなど、音がアンプへ届くまでのいろいろな場所でノイズが発生します。
特にエレキギターでは、シングルコイル特有のハムノイズのように構造上ある程度発生するものもあります。そのため、いきなりピックアップを交換したりノイズゲートを買ったりするより、まず原因を一つずつ切り分けるのが近道です。
この記事では、ギターのジー音やアースノイズ、シールドの接触不良、アンプや電源から出るノイズ、エフェクターによるノイズまで、初心者でも確認しやすい順番で対策を整理します。
- ギターノイズの主な原因と見分け方
- 弦に触るとノイズが減る理由
- シールドや電源を使った原因の切り分け方
- シールディングやノイズゲートの正しい考え方
ギターノイズの原因と対策を切り分ける
ギターのノイズ対策で私が最初におすすめしたいのは、何かを買うことではなく、どこでノイズが発生しているのか順番に切り分けることです。エレキギターは本体、シールド、エフェクター、アンプ、電源環境までが一つの信号経路なので、原因を決めつけると遠回りしやすいんですよ。
最初はギターとアンプを正常なシールド1本だけで直結するのが基本です。そこでノイズが出るかを確認してから、一つずつ機材を追加していきます。



| ノイズの症状 | 考えやすい原因 | 最初の確認 |
|---|---|---|
| ジー・ブーン | ピックアップ、アース、電源、電子機器 | 弦に触れて変化するか |
| ガリガリ・バリバリ | ジャック、プラグ、ポット、断線 | ケーブルやツマミを動かす |
| サー | ゲイン、アンプ、エフェクター | GAINを下げて確認 |
| キーン | ハウリング、マイクロフォニック | アンプから離れる |
| 弾いたときだけビビる | 弦高、フレット、弦の状態 | アンプを切って生音を確認 |
ジー音は弦に触れるとどう変わる?
ギターをアンプにつないだ状態で、弦から手を離すと「ジー」「ブーン」と鳴り、弦やブリッジなどの金属部分に触れると小さくなることがあります。
これは必ずしも故障ではありません。一般的なエレキギターでは、弦やブリッジなどがギター内部のグラウンドにつながっていて、演奏者が弦に触れることで周囲から入り込むノイズが低減することがあります。
つまり、弦から手を離したときより、触れているときのほうが静かになること自体は珍しい現象ではありません。
ただし、ここで注意したいのが「弦に触ると静かになる=絶対に正常」と決めつけないことです。以前より明らかにノイズが大きくなった、別のシールドでも異常に大きな音がする、特定の場所だけで極端にノイズが増える場合には、ギターのアースやケーブルなどを確認したほうがいいです。
弦、ブリッジ、プラグなどに触れたときにピリピリした感覚や電気ショックを感じる場合は、ノイズ確認を続けず、すぐに使用を中止してください。アンプや電源設備を含む問題の可能性があります。自分で通電状態の機器を分解せず、最終的な判断は専門家にご相談ください。
また、シングルコイルピックアップはハムバッカーより電磁的なノイズを拾いやすい構造です。ストラトキャスターやテレキャスター系で「弾いていないときだけ多少ジー音がする」という場合、機材の故障ではなくピックアップの特性が関係していることもあります。
シールドとジャックの接触不良を確認
次に確認したいのがシールドです。ギター用シールドは、中心の信号線をシールド層で囲むことで、外部からの電磁的なノイズが信号へ入りにくい構造になっています。
そのため、内部で断線していたり、プラグとジャックの接触が悪かったりすると、音切れやバリバリ音、ノイズが出る場合があります。
確認は難しくありません。今使っているシールドを、正常に使えている別のシールドへ交換します。それだけでノイズが消えれば、元のシールドやプラグ部分を疑いやすくなります。
特に、シールドを少し動かしたときだけ「バリッ」「ガサッ」と鳴るなら要チェックです。プラグ付近で内部の導体が傷んでいたり、ギター側のアウトプットジャックが緩んでいたりする場合があります。



ケーブルの外側にある被覆へ傷が付いただけで、必ずノイズが増えるわけではありません。重要なのは、その内側にある導体やシールド層まで損傷していないかです。深い亀裂や内部露出があるケーブルは、安全面も考えて交換を検討しましょう。
ジャック自体がグラグラしている場合は、固定ナットが緩んでいる可能性もあります。ただし、ナットを締めるときにジャック本体まで一緒に回転させると、内部配線をねじってしまうことがあります。工具の扱いに慣れていないなら、楽器店やリペアショップに相談したほうが安心です。
アンプと電源まわりのノイズを確認
ギターとシールドに問題がなさそうなら、次はアンプと電源です。アンプはギターから入ってきた小さな信号を大きくする機材なので、ギター信号だけではなく、経路内に混ざったノイズも一緒に目立たせます。
まずGAINを必要以上に上げていないか確認してください。特にハイゲインサウンドでは、ギターや電源まわりに元々存在していた小さなノイズまで大きく聞こえやすくなります。
次に、アンプへ何もエフェクターをつながず、ギターと直接接続して確認します。可能であれば別のシールドも試すと、原因をさらに絞れます。
電源についても見落とせません。同じコンセント周辺にパソコン、ディスプレイ、充電器、照明、電源アダプターなどが大量につながっている環境では、ノイズの状態が変わる場合があります。
いったん不要な機器の電源を切り、ギターアンプだけに近いシンプルな状態で試してみると分かりやすいです。ただし、アース端子を勝手に加工したり、アンプの電源部分を分解したりするのは避けてください。
アンプの仕組みやギターとの組み合わせから整理したい場合は、ギターとベースのアンプの違いと選び方もあわせて確認すると、アンプ側で何をチェックすべきか分かりやすくなります。
エフェクターを外して原因を特定
ペダルボードを組んでいる場合は、エフェクターを一度すべて外しましょう。ここは面倒に感じますが、かなり重要です。
まずギター→シールド→アンプだけにしてノイズを確認します。これで静かなら、ギター本体やアンプよりも、外したエフェクター、パッチケーブル、電源アダプターなどに原因がある可能性が高くなります。
そのあと、エフェクターを一台だけ追加します。問題がなければ二台目を追加。その繰り返しです。あるペダルを追加した瞬間にノイズが大きくなれば、かなり切り分けやすくなります。
ただし、そのペダル本体が故障しているとは限りません。歪み系エフェクターはGAINを大きくすると元々ノイズも増えやすいですし、電源アダプターやパッチケーブルとの組み合わせが原因になることもあります。
- エフェクター本体を一台ずつ確認する
- パッチケーブルを交換してみる
- 電源アダプターやパワーサプライを確認する
- GAINやLEVELを一度下げる
- 不要なブーストを外して確認する
エフェクターを多く使っているなら、マルチとコンパクトエフェクターを併用する方法も参考になります。ノイズ対策では「何台使っているか」だけでなく、接続順や電源環境も含めて考えることが大切です。
電子機器とギターの距離を見直す
ギター自体に異常がなくても、周囲の電子機器から発生する電磁的な干渉を拾ってノイズが出ることがあります。
代表的なのがパソコン、ディスプレイ、スマートフォン、充電器、照明器具、テレビなどです。特にシングルコイルピックアップを使っていると、ギターの向きや立ち位置を変えただけでジー音の大きさが変わることがあります。
ここで勘違いしやすいのが、一般的なマグネティックピックアップが「エアコンやパソコンの動作音そのものをマイクのように拾っている」という考え方です。
通常のマグネティックピックアップは、磁界の中で振動するギター弦を電気信号へ変換しています。周辺機器が問題になる場合は、空気中の音そのものよりも、電子機器などから発生する電磁的な干渉を拾っていると考えたほうが分かりやすいです。
対策はシンプルで、ギターを持ったまま少し向きを変えたり、パソコンやアンプから距離を取ったりしてみます。スマホをアンプの上に置いているなら、一度離してください。



場所や向きを変えただけでノイズ量が大きく変わるなら、ギター内部の故障を疑う前に、周辺環境からの干渉を確認する価値があります。
ギターノイズの原因別に行う対策方法
原因をある程度切り分けられたら、ここから具体的な対策へ進みます。大切なのは、原因が分からないままシールディングやノイズゲートへ飛びつかないことです。根本原因が接触不良なら接点や配線の修理が必要ですし、電子機器からの干渉なら配置を変えるだけで改善することもあります。
アースや内部配線の不良を点検
ギター内部のアースや配線に問題があると、ノイズが大きくなることがあります。エレキギター内部では、ピックアップ、ボリュームポット、トーンポット、セレクター、アウトプットジャックなどが配線でつながっています。
一般的にはブリッジや弦もグラウンド側へ接続されていて、演奏者が弦に触れたときにノイズが小さくなることがあります。
ところが、アース線のハンダが外れたり、内部配線が切れかけたりすると、本来想定されているグラウンド経路が正常に働かない場合があります。
症状としては、急にノイズ量が増えた、弦やブリッジに触れても以前のようにノイズが変化しない、ギターを動かすと音が途切れるといったケースがあります。
ただ、弦に触れてノイズが減らないからといって、必ずアース断線とは限りません。ピックアップの種類、部屋の電源環境、アンプ、ケーブルなどでも症状は変わります。
内部配線の確認にはピックガードやコントロールプレートの取り外し、ハンダ作業が必要になる場合があります。慣れていない状態で配線を変更すると別の故障につながるため、不安がある場合は楽器店やリペアショップへ依頼してください。
接点復活剤は適切な箇所だけに使う
ボリュームを回すと「ガリガリ」、セレクターを切り替えると「バリッ」と鳴る場合は、接点の汚れや酸化が関係していることがあります。
こうした症状では接点クリーナーや接点復活剤で改善する場合があります。ただ、何にでも吹き付ければいいわけではありません。
ジャック、スイッチ、ポットなどは構造や材質が異なります。使用する薬剤によっては、特定の樹脂や部品への使用が適さない場合もあります。そのため、製品の説明を確認して、対象部品に使用できるものを選びましょう。
大量に直接スプレーするのもおすすめしません。液剤が余分に残ると汚れを呼び込みやすくなったり、別の部分まで濡らしたりする可能性があります。
ジャックの表面やプラグなら、まず電源を切った状態で乾いた柔らかい布を使って汚れを落とし、それでも接触不良が疑われる場合に適切なクリーナーを検討する流れが安全です。
接点復活剤の種類や使用可能な部品は製品によって異なります。正確な情報は公式サイトをご確認ください。アンプ内部は電源を切ったあとも危険な電圧が残る機種があるため、自分で内部へスプレーしたり分解したりしないでください。
シールディングで電磁ノイズを減らす
ギター本体が周囲の電磁的なノイズを拾っている場合、キャビティなどをシールディングすることでノイズを低減できることがあります。
代表的なのは、ピックアップや配線が収まっているキャビティへ導電塗料を塗る方法と、銅箔やアルミなどの導電性テープを使う方法です。



シールディングによってギター内部の電気回路を外部干渉から守るイメージですね。ただし、導電性の素材を貼るだけでは十分ではありません。シールド部分を適切にグラウンドへ接続し、各シールド面の導通を確保する必要があります。
さらに大事なのが、シールディングはすべてのノイズを完全に消す方法ではないという点です。
たとえばシングルコイルピックアップは、家庭の電源や周辺機器などから発生する電磁干渉を拾いやすい特徴があります。日本では地域によって商用電源周波数が50Hzまたは60Hzなので、こうした低周波の磁界由来のハムは、キャビティをシールドしただけで完全になくならない場合があります。
また、ピックアップ付近へ導電性の素材を追加すると、構造によってはサウンドへ影響する可能性もあります。ノイズだけに注目して徹底的に金属で囲うより、どのノイズを減らしたいのかを先に整理するのがおすすめです。
シールド材がホット側の端子へ触れると、音が出なくなるなどのトラブルにつながります。ヴィンテージギターや高価な楽器では価値にも関わるため、加工前にリペアショップへ相談したほうが安心です。
ノイズゲートの位置と設定を調整
ギター本体、シールド、電源などを見直しても演奏上気になるノイズが残るなら、ノイズゲートやノイズサプレッサーを使う方法があります。
ノイズゲートは、一定以下のレベルになった信号を抑えることで、弾いていない瞬間のジー音やサー音を目立ちにくくするエフェクターです。特にハイゲインのディストーションやメタル系サウンドでは使いやすい機材です。
ただし、ノイズゲートはノイズの発生原因そのものを修理する機材ではありません。接触不良があるシールドにゲートを足しても、根本的な問題は残ったままです。
また、「ギターのノイズなら必ず最初」「エフェクターのノイズなら必ず最後」というほど単純ではありません。使用するノイズサプレッサーによってはSEND・RETURN端子があり、ノイズの多いオーバードライブやディストーションをループの中へ入れて抑える方法があります。
基本の設定では、スレッショルドを必要以上に上げないことが大切です。高くしすぎると、弱く弾いた音やロングトーンの余韻まで途中で切れてしまいます。
- まず弱めの設定から始める
- 弾いていないときのノイズが消える位置まで上げる
- 弱いピッキングが消えていないか確認する
- サスティンが不自然に途切れないか確認する
- 歪み系との接続順やループを試す
音作り全体の中でノイズを整理するなら、ギターの音作りとアンプ・エフェクター設定も参考にしてください。ゲインを上げすぎた結果としてノイズが増えているケースでは、ゲートより先に音作りを見直したほうが自然に仕上がります。
ノイズゲートは最後の仕上げとして使うくらいに考えると失敗しにくいです。まず原因を減らし、そのうえで演奏中に残るノイズを整えましょう。
バリバリ音やビビリ音を見分ける
一口にギターノイズと言っても、電気的なノイズと楽器そのものから発生するビビリ音は別物です。
たとえばシールドを動かすたびにアンプから「バリバリ」「ガサガサ」と音が出る場合は、ジャックやプラグの接触不良、ケーブル内部の断線などを疑います。
一方、特定のフレットを押さえて弾いたときだけ「ジリジリ」「ビーン」と鳴る場合は、アンプやアースではなく弦高やフレットの状態が関係している可能性があります。
見分けるときは、アンプの電源を切って生音でギターを弾いてみると分かりやすいです。アンプを使わなくても同じ場所でジリジリ鳴るなら、電気的なノイズよりフレットバズなどを疑いやすくなります。
フレットバズの主な原因としては、弦高が低すぎる、ネックの状態が適正ではない、フレットが不均等に摩耗している、弦が古いといったものがあります。
| 症状 | 確認したい部分 |
|---|---|
| シールドを動かすとバリバリ | シールド、プラグ、ジャック |
| ツマミを回すとガリガリ | ポット、接点 |
| 特定フレットだけジリジリ | 弦高、フレット、ネック |
| 大音量でキーンと鳴る | アンプとの距離、ゲイン、ピックアップ |
| 弦に触れるとジー音が変わる | グラウンド、周辺環境、ケーブル |
弦高やネック調整には適正値がありますが、ギターの種類、弦の太さ、演奏スタイルによってベストな状態は変わります。数値だけを見て無理に調整するより、弾きやすさと症状を見ながら判断しましょう。
ギターノイズの原因と対策を総点検
ギターからジー音やブーン音が聞こえたときは、いきなり故障と判断する必要はありません。まずギター、シールド、アンプだけのシンプルな状態に戻し、どの段階でノイズが発生するかを確認しましょう。
私なら、最初に弦へ触れたときの変化を確認し、次に正常なシールドへ交換します。その後、エフェクターを全部外し、パソコンや充電器など周囲の電子機器から距離を取ります。この順番なら、お金をかけずに確認できる項目から進められます。
- 弦に触れてノイズ量が変わるか確認する
- 別のシールドへ交換して確認する
- ギターとアンプを直結する
- エフェクターを一台ずつ追加する
- アンプのGAINを下げて確認する
- パソコンやスマホなどから距離を取る
- ジャックやツマミの接触不良を確認する
- 必要なら内部配線を専門店で点検する
- 原因に合う場合だけシールディングを検討する
- 最後にノイズゲートで残ったノイズを整える
特に覚えておきたいのは、弦に触れてノイズが減る現象は珍しくない一方、それだけで正常・故障を断定することもできないという点です。ノイズが極端に大きい場合は、ケーブルやグラウンド、電源環境も含めて確認してください。
そして、シールディングもノイズゲートも万能ではありません。接触不良なら接触不良を直し、電源や周囲の電子機器が原因なら環境を見直す。この順番が結局いちばん効率的です。
アンプの分解、電源回路の修理、ギター内部の配線変更などは、安全面や機材の破損リスクがあります。金属部分に触れて電気ショックを感じる、焦げ臭い、異常な発熱があるなどの場合は使用を中止してください。製品固有の仕様については正確な情報は公式サイトをご確認ください。修理や電気系統に関する最終的な判断は専門家にご相談ください。
ギターノイズの原因と対策は、一つの方法だけで解決しようとしないのがポイントです。ギター、シールド、電源、アンプ、エフェクターを順番に切り分ければ、どこを直すべきなのかが見えやすくなります。まずは機材をシンプルな状態に戻すところから試してみてください。

