ギター指板の覚え方|ドレミと音名を効率よく覚えるコツを解説
ギターを弾いていると、コードは押さえられるのに「今どの音を弾いているのか」が分からない瞬間が出てきます。TAB譜の数字を追えば曲は弾けても、指板上の音名を聞かれると急に手が止まる。これは珍しいことではありません。
私がギター指板を覚えるうえで大切だと考えているのは、0フレットから最終フレットまでを一気に丸暗記しようとしないことです。まず6弦と5弦の基準音、12フレットで音名が一周する規則、オクターブの形を押さえるほうが、コードやスケールの演奏へつなげやすくなります。
この記事では、標準チューニングのギター指板にあるドレミの位置を0〜12フレットまで確認しながら、初心者でも実践しやすい覚え方を順番に解説します。表を眺めて終わるのではなく、「どうすれば演奏中に音名が出てくるか」まで意識して進めていきます。



- ギター指板上のドレミと音名の位置
- 6弦と5弦から覚える理由
- オクターブを使って音名を広げる方法
- 毎日の練習で指板を定着させるコツ
ギター指板は丸暗記しなくていい
指板を見ると音が何十個も並んでいるように感じますが、実際には同じ12種類の音が高さを変えながら繰り返されています。最初からすべてを別々の情報として覚えるより、繰り返しの規則を先に理解したほうが迷いにくいですよ。
最初は6弦と5弦を覚える
最優先にしたいのは、6弦と5弦の音名です。理由は、この2本の弦がコードのルート音を探すときに頻繁に使われるから。たとえば一般的なE型のバレーコードでは6弦側、A型のバレーコードでは5弦側にルートが置かれることが多く、音名が分かるとコードフォームと指板が一気につながります。
6弦は開放Eから始まり、自然音だけを見るとE、F、G、A、B、C、D、Eの順です。フレット位置なら0、1、3、5、7、8、10、12。5弦は開放Aから始まり、A、B、C、D、E、F、G、Aで、0、2、3、5、7、8、10、12フレットに並びます。
この二つを先に覚えておくと、「Cはどこ?」と聞かれたときに6弦8フレット、5弦3フレットがすぐ候補に出ます。そこから他の弦へ広げればいいので、覚える入口がはっきりするわけです。
12フレット周期を利用する
ギターは1フレット進むごとに半音高くなります。そして12半音進むと1オクターブ上になるため、12フレットは開放弦と同じ音名です。6弦なら開放Eと12フレットE、5弦なら開放Aと12フレットAという関係ですね。
ヤマハの楽器解説でも、1フレットずれると半音高くなることが説明されています。さらに12ポジションでは振動する弦の長さが半分になり、1オクターブ上がるとされています。(出典:ヤマハ「アコースティックギターのしくみ」)
覚え方の核心は0〜11フレットの規則を理解すること。13フレットは1フレットの1オクターブ上、14フレットは2フレットの1オクターブ上です。高いフレットを別の表として暗記する必要はありません。
◆ワンポイントアドバイス
指板を覚えるときは、「何フレットに何の音があるか」だけでなく「その音をコードやフレーズの中でどう使うか」をセットにしてください。位置だけを暗記すると忘れやすいのですが、Cコードのルート、AマイナーペンタのAといった役割まで結びつくと演奏中に思い出しやすくなります。
ギター指板のドレミ位置一覧
ここでは標準チューニングの6弦ギターを前提に、開放弦から12フレットまでの音名を確認します。まず一覧で全体像を見て、そのあと必要な場所から少しずつ覚える使い方がおすすめです。
開放弦はEADGBE
標準チューニングは、太い6弦から順にE・A・D・G・B・Eです。日本語の音名にすると、ミ・ラ・レ・ソ・シ・ミ。1弦と6弦はどちらもEですが、1弦のほうが6弦より2オクターブ高い音になります。
このEADGBEは、指板学習の出発点です。チューニングが違えば同じフレットでも音名が変わるため、この記事の表は標準チューニングを前提にしてください。ドロップDなどの変則チューニングについては後半で触れます。
0〜12フレットの音名表



以下が標準チューニングでのギタードレミ位置です。♯と♭は同じ高さの音を別の名前で表している箇所があります。初心者のうちは、まずC・D・E・F・G・A・Bの自然音を探せるようにしてから、間の音を覚えると進めやすいです。
| フレット | 6弦 | 5弦 | 4弦 | 3弦 | 2弦 | 1弦 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 0 | E ミ | A ラ | D レ | G ソ | B シ | E ミ |
| 1 | F ファ | A♯/B♭ | D♯/E♭ | G♯/A♭ | C ド | F ファ |
| 2 | F♯/G♭ | B シ | E ミ | A ラ | C♯/D♭ | F♯/G♭ |
| 3 | G ソ | C ド | F ファ | A♯/B♭ | D レ | G ソ |
| 4 | G♯/A♭ | C♯/D♭ | F♯/G♭ | B シ | D♯/E♭ | G♯/A♭ |
| 5 | A ラ | D レ | G ソ | C ド | E ミ | A ラ |
| 6 | A♯/B♭ | D♯/E♭ | G♯/A♭ | C♯/D♭ | F ファ | A♯/B♭ |
| 7 | B シ | E ミ | A ラ | D レ | F♯/G♭ | B シ |
| 8 | C ド | F ファ | A♯/B♭ | D♯/E♭ | G ソ | C ド |
| 9 | C♯/D♭ | F♯/G♭ | B シ | E ミ | G♯/A♭ | C♯/D♭ |
| 10 | D レ | G ソ | C ド | F ファ | A ラ | D レ |
| 11 | D♯/E♭ | G♯/A♭ | C♯/D♭ | F♯/G♭ | A♯/B♭ | D♯/E♭ |
| 12 | E ミ | A ラ | D レ | G ソ | B シ | E ミ |
表を全部覚えようとすると大変に見えますが、6弦と1弦は同じ音名配列です。さらに12フレットで一周します。そう考えると、実際に新しく覚える量は見た目ほど多くありません。
シャープとフラットの違い
F♯とG♭のように、ギター上では同じフレットを指すのに名前が二つある音があります。これは同音異名と呼ばれる関係です。♯は基準となる音を半音上げ、♭は半音下げる記号なので、Fを半音上げたF♯とGを半音下げたG♭は同じ高さになります。
ただし、楽譜ではどちらでも好きに書けばいいわけではありません。曲のキーや和音の構成に合わせて表記を選びます。たとえばGメジャーではF♯を使い、D♭メジャーではG♭を使います。指板暗記の最初は「同じ場所に二つの呼び方がある」と理解しておけば十分です。
基準音から指板全体へ広げる
音名表を覚えるだけでは、演奏中にすぐ使える知識になりにくいものです。そこで役立つのが基準音とオクターブ形。6弦と5弦で見つけた音を、別の弦に移していきます。
6弦の自然音を目印にする
6弦の自然音は、0フレットE、1フレットF、3フレットG、5フレットA、7フレットB、8フレットC、10フレットD、12フレットEです。この並びはコードのルートを探すときに非常に便利。
たとえば「Gの場所」と言われたら6弦3フレット、「Aなら5フレット」「Cなら8フレット」とすぐ出せるようにします。最初は♯や♭を後回しにして構いません。自然音の間にあるフレットを見れば、「GとAの間だからG♯またはA♭」とあとから導けます。
5弦の自然音もセットにする
5弦は0フレットA、2フレットB、3フレットC、5フレットD、7フレットE、8フレットF、10フレットG、12フレットAです。6弦と5弦の両方で自然音を言えるようになると、コードネームと指板上の位置がかなり近づきます。
たとえばCなら6弦8フレットと5弦3フレット、Dなら6弦10フレットと5弦5フレット。こうして同じ音名を複数の場所で探す練習をすると、「音は横一列に並んでいるのではなく、指板全体に散らばっている」という感覚が育ってきます。
オクターブの形で探す
6弦や5弦で基準音を見つけたら、次はオクターブ形を利用します。代表的なのは、6弦の音から2弦細い4弦へ移り、2フレット高い位置を押さえる形です。6弦3フレットGなら、4弦5フレットもG。6弦8フレットCなら、4弦10フレットもCになります。
同じように、5弦から3弦へも「2弦細く、2フレット高く」で同名の1オクターブ上を見つけられます。5弦3フレットCなら3弦5フレットCです。丸暗記ではなく形として覚えられるので、ルート音を探すときにかなり便利ですよ。
開放弦でも同じ関係があります。6弦開放Eと4弦2フレットE、5弦開放Aと3弦2フレットAは同名で1オクターブ違いです。最初はこの二つを実際に鳴らし、音の高さが違っても同じ音名だと耳でも確認してみてください。



3弦と2弦の間に注意する
ギターの標準チューニングでは、6弦E→5弦A、5弦A→4弦D、4弦D→3弦G、2弦B→1弦Eは完全4度の関係です。しかし3弦G→2弦Bだけは長3度になっています。
そのため、3弦と2弦の境界をまたぐオクターブ形やスケール形では、位置が1フレット分ずれる場合があります。ここを知らないまま「同じ形がどこでも使える」と覚えると、2弦付近で音が合わなくなりやすいです。3弦と2弦だけ特別、とまず覚えておきましょう。
ドレミの規則から音を導く
指板の位置だけでなく、ドレミの間隔を理解すると知らない場所でも音を計算できます。暗記した情報を忘れても、その場で導き直せるのが大きな利点です。
全音と半音を覚える
Cメジャースケールのドレミは、C・D・E・F・G・A・B・Cです。間隔は全音・全音・半音・全音・全音・全音・半音。ギターでは半音が1フレット、全音が2フレットなので、この並びをそのまま指板へ置けます。
たとえば5弦3フレットのCから始めるなら、Dは5フレット、Eは7フレット、Fは8フレット、Gは10フレット、Aは12フレットと進みます。1本の弦だけでもドレミの間隔を目で確認できるため、指板の仕組みを理解する練習に向いています。
固定ドと移動ドを分ける
指板上の絶対的な音名を覚えるときは、C=ド、D=レ、E=ミ、F=ファ、G=ソ、A=ラ、B=シと対応させる固定ド的な考え方が分かりやすいです。この場合、5弦3フレットのCは曲のキーが変わってもCのまま。
一方、移動ドでは曲の主音をドとして考えます。キーGならGをド、Aをレ、Bをミと見る考え方ですね。これは音の役割を理解するときに便利ですが、ギター指板の音名暗記では最初から混ぜると混乱しやすいので、まず固定の音名を覚え、そのあと必要に応じて移動ドを使う流れが分かりやすいでしょう。
キーとルート音を結びつける
「Cの場所を覚えた」だけでは知識が孤立します。そこで、キーやコードのルート音と結びつけてください。CメジャーコードならCがルート、AマイナーならAがルートです。指板上でその音を見つけながらコードを押さえると、コードネームがただの記号ではなくなります。
特にバレーコードを練習しているなら効果的です。6弦ルートのF、G、A、B、Cを順番に探して同じフォームを移動すると、「コードフォームをずらすとコードネームが変わる理由」が指板上の音名として見えてきます。Fコード自体の押さえ方に苦戦している場合は、ギターFコードの押さえ方とコツもあわせて確認してみてください。
効率のいいギター指板の覚え方
指板暗記にはいくつか方法がありますが、どれか一つだけを選ぶ必要はありません。音名、形、耳、実際の曲を組み合わせたほうが、演奏中に使いやすい形で残りやすいです。
フレットマークを目印にする
一般的なギターでは3、5、7、9、12フレット付近にポジションマークがあります。これは音名そのものを示す印ではありませんが、位置を判断する目印として便利です。
たとえば6弦3フレットG、5フレットA、7フレットB、9フレットC♯、12フレットE。5弦なら3フレットC、5フレットD、7フレットE、9フレットF♯、12フレットAです。まずマークのある場所と音名を結びつければ、隣のフレットも「1半音上」「1半音下」で推測できます。
ただし、ポジションマークの位置はすべてのギターで完全に共通ではありません。クラシックギターのように表面へ目印がないモデルもあります。マークは補助として使い、最終的にはフレット番号と音名の関係で判断できるようにしましょう。
音名を声に出して弾く
無言でスケールを上下するだけでは、指の運動だけ覚えて音名が残らないことがあります。そこで「C、D、E、F……」または「ド、レ、ミ、ファ……」と声に出しながら弾いてみてください。
たとえば5弦3フレットCからCメジャースケールを1本の弦で弾き、音名を言います。次は別のポジションで同じ音を探す。視覚、指の動き、音の響き、音名が同時に結びつくため、単純に表を読むより実践的な練習になります。
短いフレーズで音名を確認する
スケール練習だけで飽きるなら、短いメロディーを使う方法もあります。知っている童謡や簡単なリフを弾き、その音を一つずつ確認します。大事なのは、フレット番号だけで終わらせないこと。
たとえばTABに「5弦3フレット」と書かれていたら、弾くと同時に「C」と認識します。次の音が5弦5フレットならD。これを繰り返すと、TABの数字と音名の間に橋がかかります。曲を弾く時間がそのまま指板学習になるので、暗記だけの練習より続けやすいですよ。
CAGEDは5つの形で考える
CAGEDは、C・A・G・E・Dという5つのオープンコードフォームを土台に指板を捉える考え方です。6つではなく5つの基本フォームである点に注意してください。Fenderの公式解説でも、CAGEDはこの5フォームを基礎にした指板理解の方法として紹介されています。(出典:Fender「Learn About Major Scales on Guitar」)
CAGEDは便利ですが、初心者がいきなり全部の形を覚える必要はありません。まず6弦・5弦のルート音が分かるようになってから、「このコードフォームのどこがルートなのか」を確認する使い方がおすすめです。形だけ覚えるより、音名とコードの構造がつながります。
| 覚え方 | 向いている目的 | 注意点 |
|---|---|---|
| 6弦・5弦の基準音 | コードのルート探し | 他の弦へ広げる練習も必要 |
| オクターブ形 | 同じ音名を素早く探す | 3弦と2弦の境界に注意 |
| フレットマーク | 位置感覚をつかむ | マークだけに依存しない |
| 音名を声に出す | 音と位置を結びつける | 速さより正確さを優先 |
| フレーズ練習 | 曲の中で定着させる | 弾いた音名を毎回確認する |
| CAGED | コードと指板をつなぐ | 5フォームを一気に詰め込まない |
1日10分で続ける練習方法



指板暗記は、週末にまとめて1時間やるより、短時間でも何度も触れるほうが取り組みやすいテーマです。ここでは1日10分程度を想定した練習例を紹介します。時間はあくまで目安なので、自分の練習量に合わせて変えてください。
最初は自然音だけを探す
最初の段階では、6弦と5弦にあるC・D・E・F・G・A・Bだけを探します。タイマーを3分ほどにして、「Cを全部」「次はGを全部」のように一つの音名へ絞る方法がおすすめです。
このとき順番にフレットを数えないようにします。「Cは6弦8、5弦3」と直接答える練習です。最初は数秒かかって構いません。正解した場所を一度鳴らし、目と耳で確認してください。
次にオクターブで増やす
6弦と5弦が少し分かってきたら、そこから4弦と3弦へオクターブ移動します。6弦5フレットAを見つけたら4弦7フレットA、5弦3フレットCなら3弦5フレットCという具合です。
この練習では、答えを表で探す前にオクターブ形から推測してみましょう。推測してから表で確認する流れにすると、間違いも記憶材料になります。全部の弦を一気に覚えようとしなくても、基準音から枝を伸ばすように位置が増えていきます。
最後にランダム問題を作る
慣れてきたら「4弦7フレットは何?」「Bは6弦のどこ?」のように、フレットから音名、音名からフレットの両方向で答えます。片方向だけだと、表を思い出す癖がつきやすいからです。
紙に12個の音名を書いてシャッフルしてもいいですし、スマートフォンの乱数を使ってフレット番号を出しても構いません。ゲーム感覚で反応時間を短くしていくと、演奏中にも音名が出やすくなります。
チューナーで答え合わせする
自分が押さえている場所の音名が合っているか不安なときは、クロマチック表示に対応したチューナーで確認すると便利です。たとえば5弦3フレットを鳴らしてCと表示されるかを見るだけでも、指板表と実際の音が結びつきます。
練習用にクリップチューナーを1台用意しておくと、チューニングだけでなく音名確認にも使いやすいです。ギターを始めたばかりで、チューナーを含めて何をそろえるべきか迷っているなら、ギター初心者セットの選び方も参考にしてください。
◆ワンポイントアドバイス
指板練習は速弾きのトレーニングではありません。1音ごとに「これはA」「これはC」と確認できる速度で十分です。分からないまま指だけ先に動かすより、少し止まってでも音名を答えるほうが目的に合っています。
指板暗記でつまずきやすい点
覚え方がうまくいかないときは、記憶力の問題というより練習のやり方が合っていないことがあります。特に初心者が引っかかりやすいポイントを先に知っておきましょう。
TABの数字だけで弾かない
TAB譜はギターの弦とフレットを直接示してくれるので、とても便利です。ただし数字だけを追う練習が続くと、5弦3フレットがCだと知らないまま曲だけ弾ける状態になりやすいでしょう。
TABをやめる必要はありません。むしろ、TABを見たら一部の音だけでも名前を言う習慣を足してください。すべての音を毎回確認すると演奏が止まるなら、最初は小節の頭、コードが変わる場所、フレーズの着地点だけでも十分です。
全フレットを一気に詰め込まない
0〜12フレットの表を上から何度も読み、全部覚えようとする方法は達成感が見えにくいです。しかも演奏中は表の順番どおりに音が出てくるわけではありません。
そのため、「6弦と5弦の自然音→オクターブ→残りの弦→♯と♭」の順で増やしてください。この順番なら、途中の段階でもコードのルート探しに使えます。覚え切るまで実践できない、という状態を避けられるのがポイントです。
ドロップDでは6弦が変わる
この記事の音名表はEADGBEの標準チューニング用です。ドロップDでは6弦をEからDへ1音下げるため、6弦だけ音名の配置が2フレット分変わります。開放はD、2フレットでE、3フレットでFという並びです。
一方、一般的な標準7弦ギターは低音側にBを追加したB・E・A・D・G・B・Eで、従来の6本の音名配置は基本的にそのまま使えます。「7弦になったら6弦の配置も全部変わる」と考える必要はありません。
セーハと音名を別にしない
セーハコードはフォームだけ覚えると、何のコードを押さえているのか見失いやすいです。6弦ルートのフォームなら、人差し指が押さえる6弦の音名を確認してください。6弦3フレットならG、5フレットならA、8フレットならCです。
こうすると、指板暗記がコード練習そのものになります。コードの形を横へ移動できる理由も、ルート音が半音ずつ上がっているからだと理解できるでしょう。単なる手の形から、音名を伴ったフォームへ変わる瞬間です。
覚えた音名を演奏に活かす
指板を覚える目的は、暗記テストで満点を取ることではありません。コード、スケール、アドリブ、作曲などで「今ここにこの音がある」と判断できるようになること。最後に実践へのつなげ方を見ていきます。
コードのルートを探す
コードネームの最初の音はルートです。AmならA、Cmaj7ならC、G7ならG。6弦と5弦のルート位置が分かれば、バレーコードやパワーコードを動かすときの基準になります。
たとえば6弦5フレットAを基準にAのパワーコードを押さえ、3フレットへ移動すればG、8フレットならCです。形は同じでも、ルート位置が変わればコードネームも変わります。ここまで分かると、6弦・5弦を先に覚えた意味がはっきりしてきます。
スケールのルートを意識する
ペンタトニックやメジャースケールを「形」で覚えている人は、その中のルート音だけ色を付けるような感覚で意識してみてください。AマイナーペンタトニックならAがどこにあるか、CメジャースケールならCがどこにあるかを探します。
同じフォームを弾いていても、ルートが見えるとフレーズの着地点を選びやすくなります。逆に形だけで上下すると、ポジションを外れた瞬間に迷いやすいもの。音名はスケールの形を指板全体へつなぐ地図になります。
作曲や耳コピにも使える
メロディーを思いついたとき、指板の音名が分かれば「今の音はEだった」「次はGへ行った」と記録しやすくなります。別のポジションへ移したり、同じ音を別の弦で弾いて音色を変えたりする判断もしやすくなるでしょう。
耳コピでも同じです。探し当てた音の名前が分かれば、次に似たフレーズが出てきたときの手掛かりになります。指板暗記は理論だけの勉強に見えますが、実際には「自分が弾いている音を言葉にできるようにする作業」と考えると分かりやすいです。
◆ワンポイントアドバイス
指板の音名は、全部覚えてから演奏に使うのではなく、覚えた場所からすぐ使ってください。今日6弦のGとAを覚えたなら、その二つを使うコードやパワーコードを弾く。それだけでも知識が「暗記」から「演奏の道具」に変わります。
ギター指板のよくある質問
最後に、ギター指板の覚え方やドレミ位置について、初心者から出やすい疑問をまとめます。ここまでの内容を短く確認したいときにも使ってください。
ギター指板のよくある質問(FAQ)
Q1. ギター指板の音は全部覚える必要がありますか?
A. 最初から全フレットを丸暗記する必要はありません。まず6弦と5弦の自然音、12フレット周期、オクターブ形を覚えると、他の弦の音も導きやすくなります。最終的にどの場所でも音名が分かる状態を目指しつつ、実践で使う場所から増やしていく方法がおすすめです。 Q2. ギターのドレミはどこから覚えると簡単ですか?
A. 5弦3フレットのCからCメジャースケールを確認すると分かりやすいです。同時に、6弦と5弦にあるC・D・E・F・G・A・Bの自然音を覚えてください。コードのルートにも使いやすいため、単にドレミを1か所だけ覚えるより応用しやすくなります。 Q3. 12フレットより先も別に覚える必要がありますか?
A. 音名の規則を新しく覚え直す必要はありません。12フレットは開放弦の1オクターブ上なので、13フレットは1フレット、14フレットは2フレットと同じ音名です。ただし実際の演奏では高音域の位置感覚も必要になるため、規則を理解したうえで高いポジションも弾いて慣れておくと便利です。 Q4. 6弦と1弦は同じ音ですか?
A. どちらも開放弦の音名はEで、各フレットの音名配列も同じです。ただし音の高さは同じではなく、1弦の開放Eは6弦の開放Eより2オクターブ高くなります。6弦の音名配列を覚えれば、1弦にもそのまま応用できます。 Q5. シャープとフラットは両方覚えるべきですか?
A. 最終的には両方の表記に慣れておくと便利です。ただ、最初からF♯とG♭を別の場所として暗記する必要はありません。同じフレットに二つの呼び方があると理解し、まず自然音を確実に覚えてください。そのあと曲のキーやコードに合わせた表記へ慣れていけば十分です。
ギター指板の覚え方まとめ
ギター指板は、すべてのフレットを別々に丸暗記するより、規則と基準音から広げるほうが演奏へつなげやすくなります。特に6弦と5弦はコードのルートを探す場面で使いやすいため、ここから始めるのが効率的です。
基準音とオクターブから覚える
まず6弦と5弦の自然音を覚え、次に12フレット周期とオクターブ形を使って他の弦へ広げる。これがこの記事でおすすめする基本の流れです。
- 標準チューニングは6弦からE・A・D・G・B・E
- 1フレット進むごとに半音上がる
- 12フレットは開放弦と同じ音名の1オクターブ上
- 6弦と5弦の自然音を最初の基準にする
- 同名音はオクターブの形を使って別の弦へ広げる
- 3弦Gと2弦Bの間だけ音程関係が異なる点に注意する
- TABの数字と音名をセットで確認する
- 覚えた音はコードやスケールでその日のうちに使う
指板の音名が見えてくると、コードフォームもスケールも「ただの形」ではなくなります。最初はCやGを探すのに数秒かかっても大丈夫。毎日の練習で少しずつ反応を速くし、最終的には弾いた場所と音名が自然につながる状態を目指してください。

